労働判例〜賃金や賞与、退職金

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コミッションの支払いは、支給日在籍要件の定めがある場合は、不支給となるのか?

労働判例

当該コミッションは、売上高に確定的な比率を乗ずることによって確定するから、30日前の退職予告をしない場合に、支給日在籍要件条項により不支給とすることはできないとされた事例
(平成7.8.15 東京地裁判決 EUコンサルティング事件)

 

 

判決の要点

コミッションの算定

コミッションは、当該職員の売上高を基礎とし、これに対する確定的な比率に従って支払われる賃金である点においては賞与とは異なり、当該職員の過去の具体的な営業実績と正確に対応し、その金額は被告会社の行為を要せず特定されている。

 

コミッションに対する支給日在籍条項適用の不合理性

1.賞与については、給与規定にも支給日在籍の条項(26条)が存在するが、その計算の基礎となる支給率、成績率に関しては被告会社の決定を要するものであって、この点でコミッションとは異なっている。

 

2.前示のような性質のコミッションを給与規定の支給日在籍の規定(33条)により不支給にし得るとすることは、原告の給与に基本給があったことを考慮しても、合理的な根拠を欠くものであり、そのような規定は、公序良俗に反し、効力を有しないというべきである。

 

30日前の退職予告によるコミッションの請求権確保条項の不合理性

1.被告会社の主張によると、給与規定8条2号により、退職者には、被告会社に対して30日前の退職予告をすることによりコミッションの支払を受ける可能性が残されていることになるが、退職希望者としては、賃金であるコミッションの支払請求権確保のために、30日前の退職予告を余儀なくされるのであって、このこと自体、合理性を欠くという外はない。

 

2.したがって、給与規定8条2号の「30日前の予告をし」との部分は、効力を有しないというべきであり、退職30日前の予告をコミッション支払請求権の発生又は存続の要件と解することはできない。

 

遅延損害金年14.6%の認容

原告の本件請求は、未払いコミッション262万円金及びこれに対する平成5年11月2日(労働基準法23条1項による)から支払済まで、賃金の支払の確保等に関する法律6条1項及び同法施行令1条の年14.6%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。


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