労働判例〜賃金や賞与、退職金

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予告手当を支払わずに即時解雇した場合には、賃金請求権が認められるのか?

労働判例

解雇事由が存在し、解雇権の濫用は認められず、即時解雇に固執していないから30日後に解雇の効力が生ずるも、その間の就労受入れ拒否の意思が明確であるとして、賃金請求権が認められた事例
(平成4.1.21 東京地裁判決 K新聞舗事件)

 

判決の要点

解雇事由の存在と即時解雇

本件解雇の効力について判断するに、被告会社の他店の店長に暴力を振るい加療約2週間を要する傷害を与えたことは、被告会社の就業規則19条1号に該当するというべきであり、本件解雇が解雇権の濫用に当たることを窺わせる事情は存在しない。

 

また、被告会社は、労働基準法が定める30目の予告期間を置かず、解雇予告手当を提供することなく本件解雇の意思表示を行っているが、被告会社が即時解雇に固執していると認められないから、本件解雇の意思表示から30日の期間が経過することによって解雇の効力が生ずるものと解すべきである。

 

解雇の効力発生に至るまでの賃金請求権

したがって、原告は、被告会社においては原告の労務提供を受け入れない意思が明確であるから、原告の労務提供の有無にかかわらず賃金を請求できるというべきであって、本件解雇の意思表示から30日間の賃金を請求できる。

 

そして、本件解雇の意思表示から30日間の賃金の額としては平均賃金の30日分であると解するのが相当であり、平均賃金は昭和63年5、6、7月分の賃金合計84万3,661円を92日で除して、9,170円22銭となり、その30日分は27万5,107円となる。

 

以上によれば、原告の昭和63年8月分以降の賃金請求は、27万5,107円の限度で理由があり、その余は理由がないというべきである。


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