労働判例〜賃金や賞与、退職金

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解雇が無効な場合、通勤手当や超過勤務手当相当分も請求できるのか?

労働判例

就労不能により通勤手当相当分は出費を免れており、また、超過勤務手当は、恒常的に超勤が行われ、超勤手当発生の蓋然性が極めて高い場合でなければ、請求できないとされた事例
(平成10.11.16 大阪地裁判決 O産業経営協会事件)

 

判決の要点

解雇無効時の賃金請求権の内容

1.本件解雇は無効であり、被告会社は、原告の就労不能につき責に帰すべき事由があるというべきであるから、原告は、本件解雇後も、被告会社に対する賃金請求権を有する。

 

2.原告の平成9年3月現在の本給額は19万3,400円であるが、原告の賃金はO市職員の賃金体系に準じた取扱いを受けており、同年4月以降19万5,600円に改訂されたことが認められるから、原告は同月以降は同額の賃金を請求できるというべきである。

 

3.なお、原告は、上述の本給以外にも、通勤手当及び超過勤務手当相当分を請求する。

 

しかしながら、原告は、就労が不可能となったことにより現実に通勤手当相当分の出費を免れたというべきであるから、民法536条2項但書の法理により、通勤手当相当額は原告が請求できる賃金額から控除すべきである。

 

また、超過勤務手当は、超過勤務が恒常的に行われ、現実に就労がされていれば超過勤務手当が発生していた該当性が極めて高い場合に限り、現実に超過勤務をしていなくとも請求することができるというべきであるところ、本件では、超過勤務が恒常的に行われていたことを認めるに足りる証拠はないから、超過勤務手当相当分は原告が請求できる賃金に含まれると解すべきではない。


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