労働判例〜賃金や賞与、退職金

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懲戒解雇処分となった従業員には、賞与を不支給としても差し支えないのか?

労働判例

経理部長が許可なく他社の代表取締役となり、関連取引を行って利益を挙げることは重大な義務違反であり、懲戒解雇は相当であって、賞与の不支給も不当とはいえないとされた事例
(平成3.4.8 東京地裁判決 Tメディカルサービス事件)

 

判決の要点

原告労働者の懲戒解雇事由と懲戒解雇の有効性

原告は、被告会社の経理部長でありながら、T商事の代表取締役となり営業行為をしたことがある。

 

思うに、原告は職務上被告会社に対してその職務を誠実に履行する職務専念義務ないし忠実義務を負うものであり、許可を得ることなく他社の代表取締役となり、被告会社に関連する取引をして利益をあげることは、重大な義務違反行為であるといわなければならない。

 

本件懲戒解雇の背後にあるこの重大な事情をも考慮して、本件懲戒解雇の効力を判断するに、本件懲戒解雇は相当であって、懲戒権の濫用を窺わせる事情は認められない。

 

賞与不支給の相当性

6月期の賞与については、給与規定によれば、前年6月1日より本年5月31日まで勤務した者に受給資格がある旨定められており、規定上からは原告にも一応受給資格があるといわなければならない。

 

しかしながら、賞与は、職員の勤務成績に応じて支給すると定められているように使用者の具体的決定がなければ、具体的な請求権として発生したとはいえないのみか、前記判断のとおり、原告には懲戒解雇事由があり、使用者が賞与を支給しないと決定することも不当であるとはいえない事情もあり、賞与の請求は認められないというべきである。


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