労働判例〜賃金や賞与、退職金

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懲戒停職処分に該当した場合、賞与を不支給としても差し支えないのか?

労働判例

公団職員の建設工事を批判する新聞紙上への投書行為に対して、名誉毀損・職場秩享紊乱を理由に懲戒停職3ヶ月の処分とし、年末特別手当を不支給としたことが相当とされた事例
(平成9.5.22 東京地裁判決 CD公団事件)

 

判決の要点

事件の概要

原告は、被告公団職員として在職中、神奈川県知事が計画決定し、被告公団が事業者として実施する川崎縦貫道建設工事につき、用地確保、維持管理費等の観点から批判を加え、ルート変更をすべきとの意見を新聞紙上に投書した。

 

被告公団は、投書により著しく名誉が毀損され、職場秩序が乱されたとして原告を懲戒停職3ヶ月の処分とした。

 

そして、停職期間中の給与として年末特別手当を不支給とした。

 

原告は、本件停職処分の無効確認等を求めたが、本件懲戒処分は懲戒権の裁量を逸脱していないとして原告の訴えを退けた。

 

以下は、本件懲戒処分に伴う年末特別手当(賞与)不支給決定の相当性に関する判示の部分である。

 

懲戒停職処分に伴う年末特別手当(賞与)不支給決定の相当性

1.本件懲戒停職処分にあって、「この(停職)期間中の給与(年末特別手当を合む)は支給しない」とされたこと、原告に対し本件懲戒停職処分中の月例給与はもとより、支給基準日昭和63年12月1日、支給日同月9日の同年の年末特別手当が支給されなかったことは当事者間に争いがない。

 

原告は、昭和63年年末特別手当の支給をしないこととしたのは、就業規則40条、労働基準法91条に違反する旨主張する。

 

2.しかしながら、被告公団では、給与規程15条2項により、特別手当の額は職員の勤務成績を考慮して、その都度定めるとされているところ、被告公団理事長は、昭和63年12月8日、就業規則40条の規定により、停職中の職員に対し、昭和63年度年末特別手当を支給しない旨、決裁しているのであるから、被告公団が原告に対して、年末特別手当を支給しない旨の措置をしたことは相当であって、この点に違法はない。

 

3.原告主張のうち、労働基準法91条をいう点については、停職に伴う特別手当の不支給は上述の給与規程に基づく理事長の決裁であって、就労した場合に通常の支給額以下の給与を支給する減給の制裁に関する労働基準法91条の規定の場合とは異なるから、理由がない。

 

4.また、就業規則40条違反をいう点についても、同条は停職期間中の給与は支給しないと定めているにすぎず、停職期間中の者に対し、就業規則や給与規定の他の規定により特別手当等が支給されない場合までをも排除するものではないから、理由がない。

 

給与規程2条が、職員の給与は基本給及び諸手当であると定義する一方、同条2号が諸手当の中に特別手当を包含し、また、給与規程15条2項が、特別手当の額を職員の勤務成績を考慮してその都度定めるとしていることに照らすと、就業規則40条の「停職処分」は、期間中の月例給与のみを支給しない場合に限らず、特別手当をも支給しない場合も併せて規定しているものと解される。

 

したがって、この点に関する原告の主張も理由がない。


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