労働判例〜賃金や賞与、退職金

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従業員に不正行為があった場合には、賞与を不支給としても差し支えないか?

労働判例案内人

架空伝票を発行し、133万円余の不正支出を行った事実が、税務調査で判明したため、会社の対外的信用の失墜及び損害の発生を理由とする賞与の不支給は相当とされた事例
(昭和61.10.23 東京地裁判決 I医科工業事件)

 

判決の要点

賞与支給慣行の存在

被告会社では、前年12月11日から当年12月10までを評価対象の期間として、夏冬の2回に分けて、代表者がその間の経営実績及び各従業員の勤務成績を評定して、夏は基本給及び役付手当の約2ヶ月分を、冬は約2.5ヶ月分を賞与として支給することが、過去10年以上の慣行となっていたことが認められる。

 

不正行為し賞与不支給の相当性

しかし、原告は、昭和55年9月頃から昭和59年9月頃までの間、訴外会社に対して架空伝票を発行して取引を継続しており、またこの間に少なくとも133万150円の権限外支出行為をしていたのであり、それが昭和60年2月から5月までの税務当局による調査の過程で判明したのであるから、被告会社代表者が原告のこの行為による被告会社の対外的信用の失墜及び財産上の損害を考慮して、昭和60年の夏季賞与を原告に支給しないことと決したことは相当というべきであって、当該賞与を支給すべきとの原告の主張は採用できない。


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