労働判例〜賃金や賞与、退職金

懲戒解雇と退職金

ここでは、懲戒解雇と退職金をめぐる諸問題に関する判例を紹介しています。
その内容は、懲戒解雇件の根拠に関するもの、退職金の不支給や減額条項の解釈や効力等に関するもの、退職金不支給や減額に関する就業規則条項がない場合における不支給や減額に関するものなどです。

懲戒解雇と退職金

従業員に対する企業の懲戒権は、何を根拠に認められるのか?

企業の従業員に対する懲戒権は、企業者が当然に有するものではなく、就業規則もしくは労働協約に基づいて、企業と従業員間の明示又は黙示の合意に基づいて発生するものとされた事例(昭和39.3.27 東京高裁判決 日本K仮処分控訴事件)判決の要点懲戒権の発生・・・就業規則・労働協約に明示・黙示の合意の必要性企...

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従業員に対する企業の懲戒権は、何を根拠に認められるのか?

懲戒解雇は、企業秩序違反の従業員に対して制裁として果する解雇であり、使用者と労働者との間に、懲戒解雇事由について、就業規則・労働協約等による具体的な定めを要するとされた事例(昭和61.5.29 東京高裁判決 Yセンター控訴事件)判決の要点懲戒解雇の性質のそれを行う法的根拠の必要性1.使用者が従業員に...

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懲戒権の行使は、どのようになされるべきか?

懲戒解雇を合む懲戒権の行使は、使用者と労働者間の合意もしくは就業規則において、懲戒事由・懲戒の種類・懲戒の手続等の定めを必要とし、懲戒解雇事由は限定列挙と解すべきものとされた事例(平成12.2.28 東京地裁判決 Mサポート事件)判決の要点就業規則の懲戒事由の解釈及び「その他各号に準ずる行為」の解釈...

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退職金を不支給ないし減額することが認められる懲戒解雇事由とは、どのような事由なの...

退職金全額を喪失させる懲戒解雇事由とは、永年勤続功労を抹消する程の背信性を必要とするものであるとして、同業他社の取締役に就任した管理職の退職金について6割の減額を認めた事例(昭和47.4.28 名古屋地裁判決 H運輸事件)判決の要点原告らの懲戒解雇該当性原告らは、被告会社の取締役副社長であった訴外A...

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退職金を不支給ないし減額することが認められる懲戒解雇事由とは、どのような事由か?

退職金は功労報償的性格を有し、就業規則で懲戒解雇時の不支給・減額を定め得るが、その適用に当たっては、勤続功労を抹消又は減殺するほどに著しく不信義な行為に限られるとされた事例(平成9.2.14 大阪地裁判決 T吉ほか事件)判決の要点事件の概要本件は原告会社が被告労働者に貸金の返済を訴求し(本訴)、被告...

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退職金の不支給・減額規定には、どの程度の明確性が要求されるのか?

退職金の不支給・減額事由を定める就業規則は、勤続功労を抹消(不支給)・減殺(減額)する程の著しく不信義な行為に適用され、不支給・減額条項には、一義的な明確性が要求されるとされた事例(平成7.9.29 東京地裁判決 B社事件)判決の要点退職金の不支給・減額条項の要件1.一般に退職金は、賃金としての性格...

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懲戒解雇時に退職金不支給規定が存在しなくても、退職金を不支給にできるのか?

就業規則の退職金不支給条項を懲戒解雇以前に有効に新設したとは認められず、当該不支給規定を根拠に退職金を不支給とすることは許されないとされた事例(平成8.12.25 大阪地裁判決 Nコンペンションサービス事件)判決の要点原告らの退職の意思表示と被告会社の解雇の意思表示原告らは、平成2年6月11日付けで...

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退職金不支給規定が、懲戒解雇時に周知されていない場合でも、不支給規定を適用できる...

懲戒解雇による退職金不支給を定めた就業規則変更条項が、懲戒解雇日までに周知されていないとして、当該不支給条項を適用できないとした事例(平成10.5.29 大阪高裁判決 Nコンペンションサービス控訴事件)判決の要点就業規則の退職金不支給条項に関する当事者の主張1.被告会社は、退職給与規程(新規程)10...

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懲戒解雇者に退職金を不支給とする規定は有効か?不支給規定がなくても不支給にできる...

懲戒解雇の場合に退職金を不支給とする付款は一般的に不合理ではないが、就業規則や労働契約にその旨の附款はなく、事実たる慣習の成立もないから、退職金支払を拒めないとされた事例(平成11.2.23 東京地裁判決 東北T協同組合事件)判決の要点退職届提出と懲戒解雇の意思表示原告らは、平成9年8月21日、被告...

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「懲戒解雇者」を不支給対象と定めている場合には、自己退職者の請求を拒めるのか?

懲戒解雇相当の行為があっても、「懲戒解雇者には退職金を支給しない」旨の規定である場合には、当該懲戒解雇相当行為の存在のみを理由に、退職金の支払を拒めないとされた事例(平成2.7.27 広島地裁判決 H商事事件)判決の要点退職金の支払を拒否する会社の主張被告会社は、「原告らは、被告会社を倒産させる目的...

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「懲戒解雇者」を不支給対象と定めている場合には、自己退職者の請求を拒めるのか?

懲戒解雇相当の行為があっても、「懲戒解雇者には退職金を支給しない」旨の規定である場合には、当該懲戒解雇相当行為の存在のみを理由に、退職金の支払を拒めないとされた事例(平成6.6.21 東京地裁判決 IBK事件)判決の要点退職金規定の規定内容懲戒解雇に伴う退職金の全部又は一部の不支給は、これを退職金規...

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自己退職者に対して、「懲戒解雇事由のある者」の不支給規定を適用した事例はあるのか...

自己退職者に対して、「懲戒解雇事由がある場合の退職」には退職金を支給しないとの規定に基づき、退職金の3分の2を減額した措置が適法とされた事例(平成11.12.24 東京地裁判決 M証券事件)判決の要点原告労働者の退職の経緯と会社による退職金減額の理由原告は、昭和52年4月被告会社と雇用契約を締結し、...

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退職の成立後に、懲戒解雇を理由に退職金を不支給にできるのか?

退職願に記載された退職指定日の到来により合意退職が成立し、その後に懲戒解雇する余地はなく、懲戒解雇を理由として、退職金請求権が発生しないとする会社の主張が否定された事例(平成3.1.22 大阪地裁判決 O重機事件)判決の要点合意退職の成立とその後の懲戒解雇の可否原告は、被告会社に対し、昭和62年4月...

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退職の成立後に、懲戒解雇を理由に退職金を不支給にできるのか?

退職金不支給事由の定めが「懲戒解雇」のみであり、退職成立後において、遡及してなされた懲戒解雇の意思表示は無効であり、退職金の支払を拒めないとされた事例(平成9.10.24 東京地裁判決 Sランド事件)判決の要点原告の入退社と退職金請求権を否定する会社の主張1.原告Tは、昭和48年1月S不動産に入社し...

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自己退職の成立後に、懲戒解雇を理由に退職金を不支給にできるのか?

自己退職成立後に懲戒解雇はできないが、「懲戒解雇者には退職金を支給しない」とする規定の趣旨を解釈することにより、不支給は不当ではないとされた事例(平成11.1.29 大阪地裁判決 D社事件)判決の要点原告労働者の自己退職及び会社の懲戒解雇の通告原告は、昭和48年3月、被告会社に雇用され、平成8年当時...

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重大な背信行為の発覚前に自己退職した場合には、退職金の請求を拒めるのか?

自己都合退職後に判明した懲戒解雇に相当する行為が、永年勤続功労の抹消に値する重大な背信行為に当たる場合には、退職金請求権の行使は権利の濫用に当たるとされた事例(昭和59.6.8 名古屋地裁判決 T工業事件)判決の要点重大な背信行為を秘匿した雇用契約終了後の退職金請求権行使の権利の濫用性1.退職金が功...

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重大な背信行為の発覚前に自己退職した場合には、退職金の請求を拒めるのか?

懲戒解雇の場合には退職金の支給を制限する規定であっても、自己退職後に永年勤続功労の抹殺に値する懲戒解雇事由が判明した場合には、退職金請求権の行使が権利の濫用に当たるとされた事例(平成8.4.26 東京地裁判決 東京J事件)判決の要点給与規定及び退職年金規約における懲戒解雇に関する定め給与規程32条及...

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金銭領得行為に隠蔽工作を施して自己退職した場合には、退職金の請求を拒めるのか?

解約告知による退職後の退職金請求について、長年の勤続功労を抹消する程重大な背信行為に当たる懲戒解雇事由の存在を認め、請求権の濫用として支払請求を否認した事例(平成13.1.26 大阪地裁判決 M社事件)判決の要点解約告知による退職と会社の懲戒解雇の主張の当否原告が、被告会社に対し、平成9年5月末日で...

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退職金を支給済であっても、退職金不支給事由に該当する場合には、返還請求ができるの...

退職理由を秘匿して同業他社に就職した行為が退職金不支給事由に該当するとして、受領済の退職金全額につき不当利得として、返還請求が認められた事例(昭和62.6.19 福井地裁判決 F新聞社事件)判決の要点被告労働者への退職一時金の支給と原告会社の支払請求1.原告会社は、被告労働者Fの「家事の都合」、同S...

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「円満退職を支給条件」とする規定は、どのように解すべきか?

退職申出期間違反、退職不承認を理由とする退職金不支給につき、「円満退職を支給条件」とする規定は、「永年勤続功労抹消に値する不信行為があった場合に不支給」とする限度で有効とされた事例(昭和59.7.25 大阪地裁判決 N高圧瓦斯工業事件)判決の要点円満退職を退職金支給要件とする就業規則条項の有効性1....

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「円満退職を支給条件」とする規定は、どのように解すべきか?

給与規程に定める退職金支給要件である「円満退職」について、懲戒解雇事由が存在し、長期の勤続功労の抹消に値する不信行為が存在する場合以外は、「円満退職」に当たるとされた事例(平成13.10.30 東京地裁判決 K特許事務所事件)判決の要点本件給与規程の定める退職金の性質1.給与規程17条及び18条は退...

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「円満退職条項」違反があった場合でも、退職金請求権が認められた事例があるのか?

円満退職条項違反(会社主張:営業所責任者が突如退職届を提出し、残務整理・引継未了)があった場合、それは責められるべき行為ではあっても、永年勤続功労の抹消に値するものではないとされた事例(昭和59.11.29 大阪高裁判決 N高圧瓦斯工業控訴事件)判決の要点突如退職届提出、残務整理・引継不履行退職の退...

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就業規則の退職届提出規定に反した場合には、退職金請求権は認められないのか?

2月15日を退職日とする退職届を前月13日頃提出した場合について、3ヶ月の退職届の提出を義務づけた就業規則の定めに反するとしても、退職金請求を拒むことはできないとされた事例(平成13.9.10 東京地裁判決 Pエンジニアリング事件)判決の要点関係規則の内容及び原告労働者の入社・退社の経過1.被告会社...

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