労働判例〜賃金や賞与、退職金

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貸付金を給与から控除できるのか?また、賞与見込額を貸付金として供与し、賞与支給日に相殺できるのか?

労働判例

貸付金の月例給与からの控除は、賃金全額払いの原則に反し許されないが、賞与見込額を前貸ししてその支給日に精算することは、調整的相殺として、相殺禁止の例外として許容されるとされた事例
(平成9.5.30 大阪地裁判決 A交通事件)

 

判決の要点

賞与見込額の貸付制度の内容と本件の概要

1.被告会社には、希望する乗務員に対し、賞与見込額の一部を毎月貸付金として供与し、賞与支給時において精算する制度がある。

 

被告会社は、乗務員が入社するに当たりこの制度を説明しており、全乗務員が希望してこの貸付を受けている。

 

そして、被告会社は、乗務員に対して月例の給与と貸付金とを別々の封筒に入れて渡している。

 

2.原告の平成3年11月の月例給与は、28万5,432円であり、原告の賞与見込額12万8,444円のうちから11万5,000円が貸付金として原告に交付された。

 

給与からの貸付金控除の可否

被告会社が、平成3年11月28日、原告の給与から貸付金として10万9,760円を差し引いたことは当事者間に争いがなく、かかる貸付金の控除は、賃金全額払いの原則に反し、許されないものというべきである。

 

よって、原告が雇用契約に基づく当該未払い賃金10万9,760円の支払請求には理由がある。

 

賞与からの貸付金控除の可否

被告会社は、平成3年12月10日、原告の賞与から11万5,000円を差し引いたが、これは、原告の希望により同年11月28日賞与見込額の一部11万5,000円を前貸ししていたことから、精算したものであって、調整的相殺として、賃金全額払いの原則による相殺禁止の例外として許容されるものと認められる。

 

よって、11万5,000円の支払いを求める請求は理由がない。


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