労働判例〜賃金や賞与、退職金

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個人事業から会社組織になった場合の退職金計算は、個人事業当時から通算されるのか?

労働判例

個人経営の事業が会社組織になった場合において、個人事業当時は退職金の定めや支給慣行がなかったことから、個人事業当時の勤続期間の通算が否定された事例
(昭和58.7.19 大阪地裁判決 T興業事件)

 

判決の要点

退職金制度のなかった個人事業が会社となった場合の退職金算定における在職期間通算の要否

1.被告会社の退職金規定に基づく退職金は、退職時の基本給月額に勤務年数とそれに対応する支給率とを乗じたもので、原告は被告会社設立当初から従業員として勤務し、昭和56年4月24日退職した。

 

2.ところで原告は、退職金算定の基礎となる勤続期間につき、被告会社設立以前の事業に雇用されていた期間も算人すべきである旨主張する。

 

本件退職金規定は勤続期間について、被告会社設立前の事業に雇用されていた期間の取扱いにつき触れていないし、個人事業当時の雇用期間を被告会社の勤続期間に含まれるとする趣旨の労働慣行なり取扱い、あるいは労使間の合意があったとは認められず、さらに個人事業当時の雇用主が退職金支給の約束をし、又は退職金を支給していたと認めるに足りる証拠はない。

 

3.被告会社は、原告に対し、原告の個人事業当時の雇用期間を含めて永年表彰をし、被告会社自身その設立以前の個人事業を目的とする一族の個人会社であるが、これから直ちに個人事業の雇用期間も被告会社の勤続期間に含ませるべきものとは言い切れず、原告の主張は理由がない。


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