労働判例〜賃金や賞与、退職金

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降格・降職に相当な理由がある場合には、管理職の給与・賞与の大幅減額は認められるのか?

労働判例案内人

部長昇格後、課長職に降格され、課長水準の給与に減額となり、管理給、賞与が大幅に減額されたが、管理給・賞与は会社の査定・裁量により定まるものであるとして、減額差額の診求が否定された事例
(平成8.5.28 東京地裁判決 Jシステム事件)

 

判決の要点

降格の内容

原告は、平成3年5月7日経理担当者として雇用され、年間850万円の給与を受け、同年12月1日経理担当部長に昇格したが、平成4年4月1日課長職に降格され、課長水準の給与に減額された。

 

降格降職に伴う管理職給与・賞与の大幅減額

1.ところで役職者の任免は、いわゆる経営権に属するものとして使用者の自由裁量に委ねられており、降格降職も、裁量の範囲を著しく逸脱し、人事権の濫用にわたらない限り、その効力は否定されない。

 

そして、これを本件についてみると、原告は、上司の指示に従わず、また、機密書類等を大量に持ち出し、人事考課の結果も悪かったのであるから、本件降格降職の内容に照らしても、被告会社がその裁量権を著しく逸脱したとは認められない。

 

2.本件降格降職後、原告に支給された管理給、夏期賞与、冬期賞与は大幅に減額されている。
被告会社の給与規程では、13条で管理給は「管理職に月額一定で支給する」と規定されているが、その額についての規定はなく、最終的には被告会社代表取締役の決裁に委ねられている。

 

また、賞与については、給与規程24条に「賞与の額は会社業績を考慮し、各人の勤務成績・貢献度、勤惰等を厳正公平に査定し決定する」と規定されており、その額は査定によって決定される。

 

したがって、上述管理給及び賞与は、被告会社の裁量や査定によってその額が定まる性質のものであり、従前の支給額より低い額を支給されたからといって、当然に差額分を賞金請求権として請求できるわけではないというべきである。


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