労働判例〜賃金や賞与、退職金

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業務上の過失を理由に、技能に対する「調整手当」を一方的に減額できるのか?

労働判例

本件調整手当は、雇用契約締結時に、従前の賃金を下回らないとの条件の下に決定されたものであり、その趣旨及び決定の経緯に照らし、能力評価によって一方的に減額できないとされた事例
(平成11.9.8 大阪地裁判決 J会K病院事件)

 

判決の要点

業務上の過失事故を理由とする調整手当減額の可否

1.被告病院が、原告の調整手当3万円を平成8年4月から1万円に減額したことは当事者間に争いがない。

 

この減額について、被告病院は、原告がリハビリ治療の際の過失から、患者を負傷させるという事故を起こすなどしたことから、高度の専門技術を有していないと判断したためであると主張している。

 

2.しかしながら、給与規程7条は、調整手当が賃金の構成部分であると規定し、10条で「医師、レントゲン技師等の高度の専門技能、あるいは特殊技能に対し定められた月額を支給する」と規定しているところ、原告に支給されていた調整手当は、雇用契約締結に当たって、同人が従前支給されていた賃金を下回らないこととする条件を出し、被告病院がこれを承諾して取決められたものであって、このような調整手当の趣旨や調整手当額取決めの際の経緯に照らすと、原告が支給されていた調整手当は、被告病院が原告の能力評価等によって、一方的に減額したりすることができるものと予定していたとは認められない。

 

そうすると、被告病院が減額したとして支給しなかった調整手当については、賃金の一部未払いというべきである。


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