労働判例〜賃金や賞与、退職金

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就業規則に賞与額・率が定められていない場合には、賞与請求権はないのか?

労働判例

就業規則等に「賞与を支給する」旨の抽象的な規定が存するのみでは、労使間に支給額・率等の合意がない限り、賞与の支払を請求することはできないとされた事例
(昭和63.6.27 山形地裁酒田支部判決 S会K病院事件)

 

判決の要点

就業規則の抽象的な定めと賞与請求権の発生の有無

就業規則や労働協約あるいは個々の労働契約において賞与を支給する旨の抽象的な規定があっても、それを実施するために不可欠な支給率ないし金額について具体的な定めがなされておらず、あるいは、労使間でこの点について交渉が妥結せず、合意が成立していない場合には、他にこの合意等に代わって賞与の支払請求権を具体化させるべき特段の事情がない限り、その支払を請求することはできないと解すべきことは、先に昇給に関し述べた(以下参照))ことと同一であり、本件においては、就業規則等にこのような定めがなく、かつ、労使間で交渉が妥結していない上、労使間の合意に代わって賞与請求権を具体化させるべき特段の事情を認めることもできない。

 

※昇給に関する判示

就業規則や労働協約あるいは個々の労働契約において昇給に関する定めがあっても、それを実施するために不可欠な昇給率ないし金額について具体的な定めがなく、あるいは労使間でこの点について交渉が妥結せず、合意が成立していない場合には、他にこの合意等に代わって引上げ分の支払請求権を具体化させるべき特段の事情のない限り、労働者にその合意に達していない引上げ分についてまでの支払請求権はないものというべきである。


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