労働判例〜賃金や賞与、退職金

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社用車の事故損害額を賃金から相殺決済しても差し支えないのか?

労働判例

業務用として貸与した社用事の損傷による損害金6万円の月次賃金からの控除は、損害賠償債権をもって賃金と相殺決済したこととなり、同意がないことから相殺の効力を主張できないとされた事例
(平成9.3.25 東京地裁判決 M社事件)

 

判決の要点

被告会社の業務車両の損傷による損害控除の主張

被告会社は、原告に支払うべき平成6年4月分賃金のうちから6万円を控除して支払った。

 

この控除につき、被告会社は、業務用として原告に乗用車を貸与していたところ、原告はこの乗用車に損傷を与えたので、保険の免責限度額の5万円に1万円を加算した6万円を損害金として控除したと主張している。

 

本件損害賠償債権による賃金相殺の可否

1.被告会社が原告に対し支給すべき平成6年4月分賃金から6万円を控除したのは、前記被告会社の主張する理由によったことであることは、被告会社代表者の供述するところである。

 

2.そうすると、被告会社の前記控除は、被告会社の原告に対する損害賠償債権をもって原告の賃金と相殺決済したこととなるのであるから、これについて原告の同意のない(この点は争いがない。)本件にあっては、その効力を主張することはできない。

 

したがって、被告会社は原告に対し、当該未払い賃金6万円とこれに対する原告主張の遅延損害金の支払義務がある。
【注記:控訴棄却。原判決正当。】


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