労働判例〜賃金や賞与、退職金

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賃金の不遅払いにより退職した場合には、会社都合退職に該当するのか?

労働判例

賃金の遅配・未払により退職した場合は、「やむを得ない業務上の都合による解雇」に準ずる退職ではなく、自己都合退職に当たるとされた事例
(平成9.3.21 東京地裁判決 N社事件)

 

判決の要点

原告の退職の事情

原告の被告会社における勤続年数は31年余にわたるものであるが、十数年来の給料の遅配、平成6年からの7ヶ月分に及ぶ不払いがあり、再三の要求にも被告会社の誠意が見られず、生活に支障を来したため、退職したと主張している。
被告会社は、自己都合退職による退職金を支払った。

 

退職金支給事由の区分と原告の退職事由区分

1.被告会社が、退職金に関し、

 

@やむを得ない業務上の都合による解雇の場合には、退職時の基本給月額に31と12分の7を乗じた金額の退職金を、

 

A自己都合により退職した場合には、上述基本給に27と12分の7を乗じた金額の退職金を、

 

支払う旨定めていることは認定事実により認められる。

 

2.ところで、原告は、退職の理由が賃金等の遅配及び未払にあり、「やむを得ない業務上の都合による解雇」に準じて退職金が支払われるべきである旨主張するが、退職の理由は原告主張のとおりであるものの、解雇されたものではないから、上述の理由が「やむを得ない業務上の都合による解雇」に準ずるものとは認められない。

 

したがって、退職金の額は、自己都合により退職した場合の算定方法(退職金規程6条)によって算出されるべきものであり、これによると退職時の基本給35万610円に27と12分の7を乗じて小数点以下を切り上げた967万993円となる。


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