労働判例〜賃金や賞与、退職金

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重大な背信行為があった場合でも、退職金請求権は認められるのか?

労働判例

退職金の基本的性格は賃金であり、付随的に功労報償的性格をも併せ有し、永年勤続の功労を抹消する程の重大な背信行為がある場合には、退職金請求権の行使は権利の濫用となるとされた事例
(平成8.4.26 東京地裁判決 東京J事件)

 

判決の要点

退職金の性格

1.退職年金規約17条2項は、退職一時金の給付額は勤続期間に応じ、退職時の基準給与に給付率を乗じた額とされ、支給条件を一義的明確に定めていることから、退職金の支給は使用者の義務とする趣旨と解される。

 

そして、給与規程及び退職年金規約には、懲戒解雇の場合の退職金の支給制限規定が置かれていることからすれば、被告会社の退職金は基本的に賃金の性格を有し、付随的に功労報償的性格をも併せ有しているものと解される。

 

2.退職金不支給規定が置かれている会社において、従業員が自己都合退職後に在職中に懲戒解雇事由が存在していたことが判明した場合においては、その懲戒解雇事由が当該従業員の永年の勤続の功労を抹消してしまうほどの重大な背信行為である場合には、当該退職者が退職金請求権を行使することは、権利の濫用として許されなくなると解するのが相当である。


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