労働判例〜賃金や賞与、退職金

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退職時の金銭の支給が慣行化した場合、退職金として請求できるのか?

労働判例案内人

退職時に一定の基準によって算定される金員の支給が繰り返された場合、その金員の支給は確立した慣行と認められ、労働契約の内容となっていたとされた事例
(昭和51.12.22東京地裁判決 Nダンボール研究所事件)

 

判決の要点

退職金支給基準作成の経過と基準に基づく退職金の支払

1.被告会社の就業規則等には退職金の定めがなかったが、経理担当者Nが昭和47年頃、他社の退職金支給基準を3、4例選び、被告会社の代表取締役に示して退職金支給基準を明確にするよう進言し、これに基づき被告会社は、退職金支給基準を、
@ 勤続1年未満は不支給
A 2年未満は退職時の給与1ヶ月分
B 2年以上は勤続年数から1を引いて退職時の月額給与を乗じる
C 端数月は切り上げる
旨を定め、従業員はこの基準で退職金が支払われることを知ることとなった。

 

2.被告会社は、上述基準に従い、昭和47年9月頃以降退職したYほか3名に退職金を支払い、また2名には資金不足のため、支払いを約したことが認められる。

 

会社の主張と退職金支給慣行の成立

被告会社が従業員の退職時に支払った金員は、餞別金ないしお祝い金であるという被告会社代表取締役の本人尋問結果は信用できない。
上述の事実によると、被告会社には明文の退職金規定は存在していなかったが、上述認定した基準に基づく算出方法で算定した退職金が支払われており、当該基準による退職金の支給は確立した慣行になっていたことが認められるから、当該慣行は被告会社と原告らとの雇用契約の内容となっていたと認めるのが相当である。


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